2017年2月8日水曜日

第 3 回秋田日本語教育研究会プログラムおよび要旨

みなさま

以下のとおり,プログラムおよび発表要旨を公開します。

日時:2017 年2 月24 日(金)13:00―15:15
場所:国際教養大学 D棟201
参加費:100 円(資料代等)

12:30 受け付け開始
13:00 研究会開始
13:05 発表(発表・質疑応答を含め、各30分)
発表1:EPA看護師・介護福祉士候補者を対象とした自律学習支援のた めの遠隔教育の現状と課題(平田友香:国際教養大学)
発表2:秋田大学と国際教養大学の日本語クラスの合同授業の試み(嶋ちはる*・平田未季**・阿部祐子*:*国際教養大学・**秋田大学)
14:05 休憩(10分)
14:15 話題提供者からの説明およびディスカッション(40分)
話題1:発表1に同じ
話題2:発表2に同じ
話題3:多読教材作成としての翻訳活動(佐々木良造*・行木瑛子**:*秋田大学・**国際教養大学)
14:55 まとめ
15:00 研究会の運営について
15:15 研究会終了

発表タイトル・要旨等
発表1:EPA看護師・介護福祉士候補者を対象とした自律学習支援のための遠隔教育の現状と課題
発表者:平田友香(ひらた ゆか)
所属:国際教養大学 非常勤講師
キーワード(5語以内):遠隔教育・省察・自律学習支援・ファシリテーター
要旨:EPA(経済連携協定)により某県にフィリピン・インドネシアから看護師・介護福祉士候補者(以下、「候補者」)が赴任している。中川(2011)は、候補者の漢字語彙の習得は、自律学習に占める割合が多いが、自律学習をサポートできるような学習支援の必要性を指摘している。発表者らのコースでは、その自律学習をサポートするものとして、週5日、遠隔教育にてトレーニングペーパー(以下、「TRP」)を行ってきた。発表者は、2014年よりTRPの添削と、コメントのやりとりを担当してきた。本発表は、発表者が今までに直面してきた課題の中で、特に重要だと思われる点について報告、省察し、自律学習支援のための遠隔教育における課題について考察する。
【参考文献】
1) 中川健司・角南北斗(2011)「介護福祉士国家試験対応の漢字学習ウェブサイトの開発」『東京医科歯科大国際交流センター紀要第4号』pp2-12
2) 佐野ひろみ・杉山朗子・橋本洋輔・中川健司(2013)「EPA看護師候補生のための医学術語トレーニング・ペーパー」『2013年度日本語教育学会秋季大会予稿集』pp.350-355
3)橋本洋輔・佐野ひろみ・中川健司・角南北斗・齊藤真美・布尾勝一郎・野村愛(2016)「EPA看護師・介護福祉士候補生を対象とした遠隔教育におけるコメントの役割」『2016年度日本語教育学会春季大会予稿集』pp. 243-248

発表2:秋田大学と国際教養大学の日本語クラスの合同授業の試み
発表者:嶋ちはる*・平田未季**・阿部祐子*
所属:*国際教養大学・**秋田大学 
キーワード(5語以内):留学生、ネットワーキング、学生間交流
要旨:2016年秋学期に、学外での留学生のネットワーク作りを目的とした秋田大学と国際教養大学の日本語クラスの合同授業を行った。参加者は各大学の中上級レベルの留学生32名(秋大25名、AIU11名)である。教員により両大学混合の7グループが作られ、学生は事前にSNSなどを使って、自己紹介やランチプランなどについて連絡を取り合うよう促された。当日はAIU生が秋田大学を訪問し、グループごとに秋大生による大学案内、昼食、AIU生による秋大生への質問などの活動が行われた(約3.5時間)。授業後のアンケート結果によると、事前連絡には若干の不満も示されたものの、当日の活動への評価は非常に肯定的で、交流の継続への意欲もみられた。本発表では、この実践報告から秋田で学ぶ留学生という類似した立場の学生の交流から生まれる学びについて考えたい。

話題提供1:発表1に同じ
話題提供2:発表2に同じ
話題提供3:多読教材作成としての翻訳活動
話題提供者:佐々木良造*・行木瑛子**
所属:*秋田大学・**国際教養大学
当日までの準備の必要性:有
当日までの準備:下記のリンクの「多読学習者が作った読み物」をご一読の上、ご参加くださいますようお願いします。
http://tadoku.org/news/2017/01/17/4156
要旨:多読を中心とした授業を実施するための問題点として多読用の教材が十分でない点があげられます。そこで、日本語多読教材作成方法の一案として、学習者の母語で書かれた物語、昔話、古典などを日本語に翻訳し「学習者の、学習者による、学習者のための教材」を作ろうと考えています。今回の話題提供では、留学生を対象とした授業として、翻訳と多読教材作成をつなげることの意義を考えるとともに、実施に当たってどのような問題点があるかを議論したいと思います。そして、この活動の成果物として、学習者の母語と日本語で書かれたバイリンガルの読み物ができあがります。この成果物の活用法についても参加者のみなさんのご意見をお聞かせいただきたいと思います。